「換気シミュレーション」受託解析サービス開始のお知らせ

2021年07月12日

昨今、コロナ対策として、居住空間内における換気性能の評価・改善が重要視されています。
そこで当社では、解析パートナーである(株)アドバンスドナレッジ研究所のFlowDesignerを利用した換気シミュレーションの受託解析サービスを開始しました。
FlowDesignerは、3D TIMONとも連携し金型冷却回路の最適な設計にも活用することができる流体解析ソフトウェアで、豊富な実績・事例があります。
是非、工場内などの最適な設備配置の検討にお役立てください。

解析事例その1:アミューズメント店舗内の気流分布、空気齢表示

施設内の3次元解析モデル

施設内の3次元解析モデル

天井に吹き出し口(青)と排気口(緑)を設置

解析結果:床から高さ1mの流速分布

コンターは、店舗内の流速分布を示しており、吹き出し口の真下が最も流速が大きくなっています。
黒い矢印は、その流速分布内に観測用粒子を配置し、時間的な粒子の動きを示したものです。
解析結果から、店舗内の流速分布には大きな偏りが生じていることが分かります。

床から高さ1mの流速分布

解析結果:空気齢(SVE3)分布

空気齢(SVE3)とは、空気が入ってからその場所に到達するまでの時間を示す値です。
赤色の場所は、新鮮な空気が入り込むまでの時間がかかるため、吹き出し口と排気口の追加設置が必要と考えられます。

空気齢(SVE3)分布

解析事例その2:飲食店での換気対策

解析条件および解析内容

  • 室内の空気は、外気取り込み口(左側)から入った空気が、右側の排気口のファンによる強制排気によって外部へ排出される。
  • 飲食店内にいるお客様3名のうち左側の人がウイルスに感染中と仮定する。
  • 室内の空気の流れによって、どのようにウイルスが拡散するかを検証。

飲食店での換気対策

解析結果:対策前

空気の流れと示す流線と、流線の色の違いでウイルス濃度を示しています(赤色ほど濃度が高いことを表しています)。
空気の流れによって、ウイルスが他の人にも伝わっていくことがわかります。

対策前

解析結果:対策後

各テーブルの間にパーティションを追加し、排気口と外気取り込み口を増やしました(入口と出口の空気の総量は対策前と同じ)。
外気取り込み口から排出されるまでの空気の流れる距離が短縮され、ウイルスの濃度も低く、拡散が抑えられていることがわかります。

対策前